福岡市内のマンションにお住まいで、日々の疲れを癒やすお風呂のリフォームを検討されている方は多いことでしょう。
築年数が経過し、汚れやカビが落ちなくなってきたり、冬場の寒さが厳しくなってきたりすると、最新のユニットバスへの交換が頭をよぎります。
しかし、いざリフォームを決意したとしても、多くの方が最初に抱く不安があります。それは「工事期間中は一体何日間お風呂に入れなくなるのか」という切実な問題です。
戸建て住宅とは異なり、マンションでのリフォームには特有のルールや制約が存在します。
管理組合への事前の申請手続き、エレベーターや共有廊下の養生、近隣住民への騒音配慮、そして駐車場の確保など、クリアすべき課題は山積みです。これらの要因によって、想定していたよりも工期が長引いてしまうケースも少なくありません。
特に福岡のような都市部では、マンションの規約が厳格な場合も多く、事前の段取りが工事のスムーズさを左右します。
「たかがお風呂の交換」と安易に考えていると、思わぬトラブルで長期間入浴できない事態に陥る可能性もあります。
この記事では、福岡エリアでの豊富な施工実績を持つリフォームの専門家としての視点から、マンションのお風呂リフォームにかかる正確な期間、工事の具体的な工程、そして工期を少しでも短縮するためのプロのテクニックを網羅的に解説します。
工事中の生活を快適に過ごすための福岡市内のおすすめ入浴スポット情報も交えながら、読者の皆様が安心してリフォームに臨めるよう、詳細な情報をお届けします。
マンションのお風呂リフォームにかかる平均的な期間と日数

まず初めに、マンションのお風呂リフォームにおいて、工事期間がどのくらいかかるのか、その目安を把握しておくことが重要です。
工事期間は、現在設置されている浴室のタイプ(ユニットバスか在来工法か)と、新しく設置する商品、そして工事の内容によって大きく変動します。
ここでは、代表的な3つのパターンに分けて、それぞれの標準的な工期を詳しく見ていきましょう。
ユニットバスからユニットバスへの交換工事の期間
現在すでにユニットバスをお使いで、新しいユニットバスに入れ替えるというケースは、マンションリフォームにおいて最も一般的なパターンです。
この場合、既存のユニットバスを解体し、新しいものを組み立てるという比較的シンプルな工程となります。
既存の配管や電気配線をそのまま流用できるケースが多く、大きなトラブルがなければ工事期間は「3日から4日」が目安となります。
具体的には、初日に解体、2日目に配管・電気工事、3日目に組み立て、4日目に内装仕上げと引き渡しという流れです。
ただし、TOTOやLIXILなどのメーカーオプションで、肩湯や床ワイパー洗浄などの高機能な設備を追加する場合、専用の電源工事や給湯配管の追加が必要となり、工期が1日延びることもあります。
また、マンションの構造上、梁(はり)や柱が浴室内に干渉している場合、部材の現場加工が必要となり、標準的な施工時間よりも長くかかることがあります。
在来工法(タイル張り)からユニットバスへのリフォーム期間
福岡市内の築30年を超えるヴィンテージマンションや団地などでは、壁や床がタイル貼りで仕上げられた「在来工法」の浴室がまだ多く残っています。
このタイル張りのお風呂から、断熱性が高く掃除のしやすいユニットバスへリフォームする場合、工期は「4日から7日」程度かかることが一般的です。
期間が長くなる主な理由は、解体作業のボリュームが増えることと、土間コンクリート工事が必要になるためです。在来工法のお風呂を解体した後、ユニットバスを設置するための平らな基礎を作るためにコンクリートを流し込みます。
このコンクリートが完全に乾くのを待つ「養生期間」が少なくとも丸1日、冬場などの気温が低い時期には2日ほど必要になるため、その分だけ工期が延びてしまいます。
浴室のサイズアップや位置変更を伴う大規模工事の期間
「現在の1216サイズ(0.75坪)のお風呂が狭いので、壁を壊して1418サイズ(1坪)に広げたい」といった拡張工事や、洗面脱衣所を含めた水回り全体のリノベーションを行う場合は、さらに長い期間が必要となります。
浴室を拡張するには、隣接する洗面所や廊下の壁を解体し、間取りを変更する大工工事が発生します。また、浴室の位置を移動する場合、排水管の勾配(傾き)を確保するために床下の配管をすべてやり直す必要が出てきます。
このような大規模な変更を伴う工事の場合、工期は「1週間から2週間」、内容によってはそれ以上かかることも珍しくありません。
特にマンションの場合は、床下のスペース(スラブと床材の間)に限りがあるため、配管の取り回しに苦労することが多く、慎重な作業が求められます。
マンションのお風呂リフォーム工事の具体的な工程と流れ

「工事に4日かかります」と口頭で言われても、具体的に毎日どのような作業が行われているのか、イメージしづらい方も多いのではないでしょうか。
工事の流れを詳細に把握しておくことで、騒音が激しい日や、職人の出入りが多い日を予測でき、工事中のストレスを軽減することができます。
ここでは、最もスタンダードな「ユニットバスからユニットバスへの交換(4日間コース)」を例に、1日ごとの詳細な作業内容を解説します。
工事1日目:養生・既存浴室の解体・撤去作業
リフォームの初日は、朝9時頃から職人が到着し、作業がスタートします。最初に行うのは「養生(ようじょう)」という作業です。
マンションのエントランスからエレベーター、共用廊下、そして玄関から浴室までの室内通路の床や壁に、傷がつかないように保護シートやプラスチックボードを貼っていきます。
しっかりとした養生ができるかどうかで、その後の工事の質や近隣への印象が決まると言っても過言ではありません。
養生が終わると、いよいよ既存の浴室の解体作業に入ります。壁パネル、天井、浴槽、床をバールや電動工具を使って解体していきます。
この解体作業の際、コンクリートを削ったり金属を切断したりするため、工事期間中で最も大きな「騒音」と「振動」が発生します。
解体された廃材は袋詰めされ、台車を使ってエレベーターで搬出されます。何度も往復することになるため、エレベーターの占有時間が長くなるのもこの日の特徴です。
工事2日目:給排水管工事・電気配線工事・土間コンクリート打設
解体が終わり、コンクリート剥き出しの状態になった浴室スペースに、新しいユニットバスに合わせた「仕込み」を行います。
まずは水道設備業者が入り、給水管(水)、給湯管(お湯)、排水管の位置を新しい浴槽や洗い場の位置に合わせて移設します。マンションの床下スペースは狭いため、数センチ単位の正確な位置合わせが求められる精密な作業です。
同時に電気工事業者が入り、照明、換気扇、浴室暖房乾燥機のための電気配線やダクト工事を行います。給湯器のリモコン線もこのタイミングで配線します。
在来工法からのリフォームの場合は、この日の午後に「土間コンクリート打設」を行います。
ユニットバスを支えるための基礎となるコンクリートを床面に流し込み、平滑に均します。コンクリートを打った後は、人が乗ることができないため、翌日まで乾燥養生期間となります。
工事3日目:新しいユニットバスの搬入・組立・設置作業
いよいよ新しいお風呂の部材が現場に届きます。メーカー専属の組立職人が2名体制で作業を行うのが一般的です。
朝一番でトラックから大量の部材(壁パネル、床、浴槽、天井材など)を搬入します。部材は大きいため、マンションのエレベーターに入りきらない場合があり、その際は階段を使って手運びすることになります。
搬入後、まずは防水パン(床)を設置し、水平を厳密に調整します。その後、壁パネルを立て、天井を乗せ、最後に浴槽を据え付けます。
まるでプラモデルのように組み上げていく工程は見ていて気持ちが良いものですが、水漏れを防ぐためのコーキング(防水処理)など、熟練の技が必要です。
夕方にはお風呂の形が出来上がりますが、コーキング材が乾いていないため、この日の夜はまだ入浴もお湯張りもできません。
工事4日目以降:ドア枠設置・内装復旧・クリーニング・引き渡し
最終日は、大工工事と内装仕上げ工事がメインとなります。
ユニットバスのドア周りには隙間ができているため、大工さんが新しい「ドア枠」を取り付けます。
そして、解体の際に剥がした脱衣所側の壁紙(クロス)や床材(クッションフロア)を内装業者が綺麗に張り替えて復旧します。
最後に、全体的なクリーニングを行い、養生を撤去します。そしてお客様立会いのもと、工事箇所の確認と、給湯器やシャワーの試運転を行い、使い方の説明を受けて「引き渡し」完了となります。
コーキングもしっかり乾いているため、この日の夜から待望の「一番風呂」を楽しむことができます。
マンションのお風呂リフォーム期間が長引く原因と注意点

戸建て住宅と違い、マンションのリフォームでは予期せぬトラブルや制約により、予定していた工期が延びてしまうことがあります。
特に福岡市内のマンションリフォームで頻繁に見受けられる「期間が長引く原因」を事前に知っておくことで、余裕を持ったスケジュールを組むことができます。
管理組合の規約による工事時間や曜日の制限
マンションにはそれぞれ「管理規約」や「使用細則」があり、リフォーム工事に関するルールが細かく定められています。
最も一般的なルールは「工事可能な時間は平日の午前9時から午後5時まで」というものです。職人は8時半に来ても9時までは音の出る作業ができず、17時には完全撤収しなければなりません。
実質的な作業時間は休憩を除くと6時間程度に限られるため、戸建てなら1日で終わる作業が1.5日かかってしまうこともあります。
さらに注意が必要なのは「土日祝日の工事禁止」というルールです。福岡市内の一部の分譲マンションでは、土曜日の工事さえも認めていないところがあります。
もし工事期間中に土日が挟まると、その2日間は作業がストップするため、必然的にお風呂に入れない期間が2日延びることになります。
エレベーターや搬入経路、駐車場の制約によるロス
タワーマンションや大規模マンションでは、エレベーターの使用制限が工期に影響します。
朝の通勤通学時間帯はエレベーターの使用を禁止されていたり、点検日と重なってしまったりすると、資材の搬入出ができずに作業開始が大幅に遅れることがあります。
また、福岡市中央区や博多区の都心部マンションでは、敷地内に工事業者の工事車両用駐車場(作業車スペース)が確保できないケースが多々あります。
近隣のコインパーキングを利用する場合、資材や道具を取りに車まで往復する時間がロスとなり、作業効率が低下します。駐車場が遠ければ遠いほど、工期への影響は大きくなります。
解体後に発覚する「隠れた瑕疵(腐食・水漏れ)」への対応
リフォームにおいて最も恐ろしいのが、解体してみないとわからない「隠れた瑕疵(かし)」の存在です。
古いお風呂を解体した際、長年の水漏れによって土台の木材が腐っていたり、コンクリートのひび割れから階下への漏水リスクが見つかったりすることがあります。
このような不具合が見つかった場合、そのまま新しいお風呂を設置することはできません。必ず補修工事を行う必要があります。
補修のための部材手配や、大工工事の追加により、工期が数日単位で延びる可能性があります。築年数が古いマンションの場合は、予備日を設けておくのが賢明です。
オプション機能(肩湯・床ワイパー等)による配管・電気工事の複雑化
最近のユニットバスは高機能化が進んでいます。例えば、TOTOの「楽湯(肩湯)」や「床ワイパー洗浄」、LIXILの「スパージュ」シリーズなどが人気です。
これらの高機能オプションを採用する場合、通常の給排水工事に加えて、専用の循環配管や、大容量の電源回路を新設する電気工事が必要になります。
分電盤(ブレーカー)から浴室まで専用の電気配線を引くために、廊下の天井裏を通す作業などが発生し、通常の工事期間にプラスして1日程度の時間が必要になることを覚えておきましょう。
お風呂リフォーム期間中の生活対策と福岡のおすすめ入浴スポット

リフォーム期間中の3日から1週間、自宅のお風呂が使えないというのは、日常生活において大きなストレスとなります。
特に夏場や冬場は、入浴できないことが健康状態にも影響しかねません。工事期間を快適に乗り切るための対策と、福岡市民ならではの入浴場所の確保についてご提案します。
工事期間中の入浴はどうする?銭湯や日帰り温泉の活用法
最も一般的な解決策は、近隣の銭湯やスーパー銭湯を利用することです。これを機に「家族で温泉巡りを楽しむイベント」としてポジティブに捉えるのがおすすめです。
事前に営業時間、定休日、駐車場の有無、アメニティ(タオルやシャンプー)のレンタル状況をチェックし、リストアップしておきましょう。
また、仕事が忙しくて銭湯に行く時間がない方は、スポーツジムの会員になってシャワーを利用したり、シャワーブース完備のネットカフェを利用したりするのも一つの手です。
高齢者の方や移動が困難な方がいらっしゃる場合は、デイサービスなどの入浴サービスを利用できないか、ケアマネージャーに相談しておくことも大切です。
福岡市内でおすすめのスーパー銭湯・入浴施設リスト
福岡市は都心部からアクセスの良い入浴施設が充実しています。リフォーム期間中に利用しやすいおすすめスポットをいくつかご紹介します。
- 八百治の湯(博多区博多駅前):博多駅から徒歩圏内にあるホテルの温泉施設。仕事帰りにも立ち寄りやすく、天然温泉を楽しめます。
- みなと温泉 波葉の湯(博多区築港本町):ベイサイドプレイス博多にある温浴施設。露天風呂が広く、リゾート気分を味わえます。
- ふくの湯(早良区、春日市など):福岡市近郊に展開するスーパー銭湯。深夜まで営業しており、家族連れでも利用しやすいのが特徴です。
- 天神ゆの華(中央区長浜):天神エリアから近く、アクセス抜群でしたが、閉館やリニューアルの情報もあるため、最新の営業状況を確認してから訪問してください。
- 伊都の湯どころ(糸島市):少し足を延ばしてドライブがてら糸島へ。リフォームの騒音から離れてリフレッシュするのに最適です。
在宅ワークやペットがいる場合の騒音・振動対策
昨今は在宅ワーク(テレワーク)をされている方も多いですが、リフォーム期間中の在宅勤務は非常に困難です。
特に解体工事中の「ダダダダ」というコンクリート破砕音は、ノイズキャンセリングイヤホンをしていても防げないレベルの爆音です。
Web会議などはまず不可能ですので、工事期間中はコワーキングスペースやカフェ、レンタルオフィスへの避難を強くおすすめします。
また、大きな音や振動はペットにとっても多大なストレスとなります。犬や猫がパニックを起こして逃げ出したり、体調を崩したりすることもあります。
可能であればペットホテルに預けるか、実家に預かってもらうなど、ペットを工事現場から離す対策を講じてください。
マンションのお風呂リフォームをスムーズに短期間で終わらせるコツ

お風呂リフォームの期間をできるだけ短くし、トラブルなく完了させるためには、依頼主側での事前準備と業者選びがカギとなります。
最後に、リフォームを成功させるための重要なポイントを3つご紹介します。
マンションリフォームの実績が豊富な福岡の専門業者を選ぶ重要性
リフォーム業者と一口に言っても、戸建てが得意な業者と、マンションが得意な業者は異なります。
マンションリフォームの実績が豊富な福岡の業者は、各マンションの管理規約の傾向や、管理人さんとの付き合い方、効率的な搬入経路の確保などを熟知しています。
また、マンション特有の配管構造(スラブ上配管やスラブ下配管)にも詳しいため、現場での判断が早く、無駄な時間を使いません。
「安さ」だけでなく、「マンション施工の経験値」を重視して業者を選ぶことが、結果的に工期短縮につながります。
管理組合への申請手続きは余裕を持って早めに行う
意外と盲点なのが、管理組合への工事申請期間です。
多くのマンションでは、工事着工の「2週間前」から「1ヶ月前」までに、工程表や図面を添えて申請書を提出し、理事会の承認を得る必要があります。
リフォーム業者と契約しても、この承認が下りなければ工事を始めることはできません。「来週から工事したい」と思っても、申請期間の壁に阻まれることがあります。
リフォームを検討し始めたら、まずは管理規約を確認し、申請にどれくらいの期間が必要かを把握しておきましょう。そして、業者との契約が済んだら、速やかに申請手続きを進めてもらうように依頼してください。
ショールームでの仕様決めを早めに済ませて納期を確保する
お風呂のユニットバスは、注文を受けてから工場で生産する受注生産品がほとんどです。
通常、発注から納品まで2週間程度かかりますが、繁忙期やメーカーの生産状況によっては1ヶ月以上待たされることもあります。
「工事日は決まったけれど、商品が届かない」という事態を避けるために、TOTO、LIXIL、パナソニックなどの福岡ショールーム(キャナルシティや博多、筑紫野などにあります)へ早めに足を運び、仕様(色、オプション、サイズ)を決定しておきましょう。
仕様が決まっていれば、業者はスムーズに発注をかけることができ、希望の工期に合わせた納品が可能になります。
まとめ
今回は、福岡のマンションにおけるお風呂リフォームの期間について、詳細に解説してきました。記事の要点を振り返りましょう。
- 標準的な工期:ユニットバス交換なら3~4日、在来工法からの変更なら4~7日が目安。
- 工期が延びる要因:土日祝の工事禁止などの管理規約、予期せぬ隠れた瑕疵(腐食等)。
- 生活への影響:解体時の騒音は凄まじいため、在宅ワークは避けるべき。
- 対策:近隣の銭湯情報の確保や、管理組合への早めの申請が必須。
お風呂のリフォームは、数日間の不便を伴うイベントですが、その先には「足を伸ばして入れる浴槽」「カビのない清潔な壁」「冬でも暖かい浴室」という素晴らしい毎日が待っています。
福岡でのマンションリフォームを成功させるためには、まずは信頼できる専門業者に見積もりを依頼し、現地の状況を確認してもらうことから始まります。具体的なスケジュールを相談し、余裕を持った計画で、理想のバスタイムを手に入れてください。


