株式会社はるしお地建は、福岡市を拠点に不動産業と建設業を両輪で展開し、地域社会の発展と資産価値の創造に貢献しております。
本記事は、当社の主要事業の一つである「不動産売買」について、その事業内容と特性を深くご理解いただくことを目的としています。一般的な不動産仲介とは一線を画す、当社のビジネスモデルと専門性について詳述いたします。
私たちが手掛ける不動産売買は、単に物件を右から左へ動かす「仲介(媒介)」業務ではございません。
当社自身が「当事者」として不動産を取得し、建設業の知見を活かしたリノベーションや開発を通じて新たな付加価値を創造し、市場に再提供する事業です。
この記事を通じて、当社の事業戦略、リスク管理、そして皆様とのパートナーシップの可能性について、具体的なご理解を深めていただければ幸いです。
株式会社はるしお地建が手掛ける不動産売買の核心

当社の不動産売買事業は、一般的な不動産取引とは異なる特性を持っています。私たちは不動産のポテンシャルを見出し、自らリスクを取り、その価値を最大化することを使命としています。ここでは、当社の事業の根幹をなす3つの柱と、それを支える独自の強みについて解説します。
仲介(媒介)との根本的な違い:当社が「当事者」となる取引
不動産取引には大きく分けて「仲介(媒介)」と「売主(買取)」の2形態が存在します。
仲介業者は売主様と買主様の間に入り、取引のマッチングをサポートする役割を担います。これに対し、株式会社はるしお地建は仲介業務を行っておりません。
当社の不動産売買は、当社自身が買主となり、不動産を直接取得(仕入れ)することから始まります。つまり、私たちは取引の「当事者」です。
これにより、売主様にとっては迅速な現金化、契約不適合責任の免責といったメリットを、そして将来の買主様(投資家や事業会社)にとっては、当社が責任を持って品質を担保した物件を取得できるという信頼を提供します。
金融機関の皆様にとっては、融資対象となる事業主体が明確であり、事業計画の実行者が不動産と建設の両方に精通しているという点で、プロジェクトの安定性が高いとご評価いただいております。
事業の柱①:不動産買取再販事業(バリューアップ)
当社の不動産売買における主要な事業の一つが「買取再販事業」です。
これは、中古の収益物件(一棟マンション、オフィスビルなど)や区分マンション、戸建て住宅などを当社が買い取り、そのまま再販するのではなく、必要な修繕や時代に即したリノベーションを施して「バリューアップ」を図り、新たな価値を持つ不動産として市場に提供する事業です。
このプロセスの特徴は以下の通りです。
- 的確な物件選定:長年の経験とデータに基づき、潜在的な価値を持つ物件を厳選します。
- コスト管理:建設業のノウハウを活かし、リノベーションに関わるコストと品質を最適に管理します。
- リーシング戦略:物件の特性に合わせ、賃料設定やテナント構成の改善(リーシングマネジメント)も行い、収益性を高めます。
投資家の皆様にとっては、購入直後から安定したキャッシュフローが期待でき、かつ資産価値の向上した優良な投資対象を取得する機会となります。
事業の柱②:不動産開発事業(土地活用)
もう一つの柱が「不動産開発事業」です。
これは、未利用の土地や古い建物が建つ土地を取得し、その土地のポテンシャルを最大限に引き出すための最適な企画(アパート、マンション、商業施設、駐車場など)を立案し、自社で設計・施工管理を行い、新たな不動産を創造する事業です。
この事業は、当社の「土地活用」事業とも密接に関連しています。単なる不動産売買に留まらず、ゼロから価値を生み出すデベロッパーとしての側面を持ち合わせています。
- 土地の仕入れ
- 市場調査に基づき、将来性のあるエリアの土地を取得します。
- 企画・設計
- 地域のニーズや法規制を考慮し、最も収益性の高い建築計画を策定します。
- 建設・施工
- 建設業者としての技術力を発揮し、高品質な建物を構築します。
- 販売・運営
- 完成した物件を投資家や事業会社へ販売、または自社で保有・運営します。
取引先企業の皆様にとっては、事業用地の確保や、ニーズに合わせたオーダーメイドの施設開発のパートナーとして、当社をご活用いただけます。
建設業とのシナジー:ワンストップで実現する資産価値の最大化
当社の最大の強みは、「不動産業」と「建設業」を両輪で展開している点にあります。不動産売買において、このシナジーは絶大な効果を発揮します。
不動産の価値を評価する際、建物の構造的な問題点、必要な修繕コスト、遵法性(既存不適格など)の判断には高度な建築知識が不可欠です。
当社は、不動産の専門家であると同時に建設の専門家でもあるため、仕入れの段階で物件の課題を正確に見抜き、その解決コストを迅速かつ正確に算出できます。
この能力により、取得する不動産のリスクを最小限に抑えつつ、リノベーションや開発による価値向上の幅を最大化することが可能です。金融機関の皆様にとっては、融資判断の基礎となる事業計画の精度が極めて高いという安心感に繋がります。
企業・投資家から見た不動産売買のスキームとプロセス

事業会社や投資家が不動産売買を行う際、その目的は「事業の拡大」または「資産運用」です。
株式会社はるしお地建は、これらのニーズに対し、専門的なパートナーとして最適なソリューションを提供します。ここでは、当社が関わる具体的な取引プロセスと、価値創造の仕組みを解説します。
事業用不動産売買のフロー
当社が当事者として関わる事業用不動産売買(買取・開発)のプロセスは、透明性とスピード感を重視しています。一般的な仲介取引とは異なり、迅速な意思決定が特徴です。
- 情報収集と物件評価(ソーシング):市場や独自のネットワークから情報を収集し、事業性のある不動産を探索します。
- デューデリジェンス(物件調査):後述する詳細な調査を行い、リスクを洗い出します。建設業の知見が活きる重要なフェーズです。
- 事業計画の策定と資金調達:取得、改修(または開発)、運営、売却(出口戦略)までを見据えた詳細な事業計画を策定し、金融機関と融資交渉を行います。
- 取得(売買契約・決済):売主様と直接契約を締結し、物件の引き渡しを受けます。
- バリューアップ実行:リノベーション工事や開発工事に着手します。
- リーシング・運営:必要に応じてテナント募集やプロパティマネジメントを行います。
- 売却(出口戦略):価値向上後の不動産を、投資家や事業会社へ販売します。
この一連の流れを自社グループ内で完結できる体制が、当社の強みです。
買取再販における価値創造プロセス(リノベーションとリーシング)
買取再販事業の成功は、いかに物件の「付加価値」を高められるかにかかっています。単に古くなった箇所を修繕するだけではありません。
例えば、一棟収益マンションの場合、以下のような施策を組み合わせます。
- 外観・共用部の刷新:エントランスの改修、外壁塗装、セキュリティ設備の導入などで、物件の第一印象と安全性を向上させます。
- 専有部のリノベーション:現代の入居者ニーズに合わせた間取り変更、水回りの設備更新、デザイン性の高い内装への変更を行います。
- 遵法性の確保:既存不適格建築物である場合、可能な限り現行法規に適合させる改修を行い、資産としての安全性を高めます。
- リーシング戦略の見直し:近隣の家賃相場や競合分析に基づき、最適な賃料を設定し、稼働率の向上を図ります。場合によっては、テナント構成(例:ファミリー向けから単身者向けへ)の転換も企画します。
これらの施策により、物件の収益性(キャッシュフロー)と資産価値(担保価値)の両方を高め、投資家の皆様に魅力的な利回りを提供します。
開発プロジェクトにおける資金調達と事業計画(金融機関との連携)
不動産開発事業は、多額の先行投資が必要となるプロジェクトです。金融機関の皆様との強固な連携なくしては成り立ちません。
当社が金融機関にご提示する事業計画は、絵に描いた餅ではありません。土地の仕入れから建物の完成、その後の運営・売却に至るまで、建設業の知見に基づいた精緻なコスト積算と、不動産業の知見に基づいた現実的な収益予測(家賃収入や売却価格)によって裏付けられています。
プロジェクト融資(アセットファイナンス)においては、対象となる不動産が生み出す将来キャッシュフローが返済原資となります。当社は、そのキャッシュフローを最大化するための建築計画と、それを実現するための確かな施工能力を有しています。この「事業を完遂する力」こそが、金融機関の皆様からの信頼の基盤であると自負しております。
不動産売買における重要な監査(デューデリジェンス)

金融機関や投資家の皆様が最も重視する点の一つが、対象不動産のリスク評価、すなわち「デューデリジェンス(適正評価手続き)」です。
株式会社はるしお地建は、自らが買主としてリスクを取る立場であるため、業界最高水準のデューデリジェンスを自社で実行します。この調査能力は、そのまま当社の信頼性に直結します。
物理的調査:建物の遵法性、修繕履歴、地中埋設物
不動産の物理的側面に関する調査は、特に建設業の知見が求められる領域です。
私たちは以下の点を徹底的に調査します。
| 調査項目 | 主な確認内容 | リスク |
|---|---|---|
| 遵法性(リーガリティ) | 建築基準法、消防法、都市計画法などへの適合状況。特に「既存不適格」や「違反建築」の有無。 | 融資不適格、行政からの是正命令、将来の増改築不可など。 |
| 建物コンディション | 構造躯体の劣化状況、大規模修繕履歴、設備の耐用年数。アスベストやPCBなどの有害物質の使用有無。 | 想定外の巨額な修繕費用の発生、資産価値の毀損。 |
| 土地・境界 | 境界の明示状況、越境の有無、地盤沈下の履歴、地中埋設物(浄化槽、井戸、過去の建物の基礎など)の可能性。 | 隣地とのトラブル、開発時の予期せぬ撤去費用。 |
これらの調査結果に基づき、必要な対策費用を正確に見積もることで、安全な不動産売買を実現します。
経済的調査:収益性分析(キャッシュフロー、ROI)と市場性
投資家にとって、不動産は収益を生む「資産」です。その経済的価値を正確に把握することが不可欠です。
当社は、対象物件の現在の収益(実態レントロールの精査、空室率の分析)だけでなく、将来にわたる収益予測(プロフォーマキャッシュフロー)を作成します。これには、以下の要素が含まれます。
- 運営収入(EGI):満室想定賃料から、空室・滞納損を控除した実質的な収入。
- 運営費用(OPEX):管理費、修繕費、固定資産税、保険料などの詳細な積算。
- 純営業利益(NOI):運営収入から運営費用を差し引いた、不動産の純粋な収益力。
このNOIを基に、投資収益率(ROI)や自己資本配当率(CCR)を算出し、投資判断の材料とします。また、周辺の賃貸市場や売買市場の動向(マーケット分析)も行い、将来的な売却(出口戦略)の確度も検証します。
法務的調査:権利関係、契約不適合責任、行政法規の確認
安心して不動産売買を行うためには、法務的なリスクがクリアでなければなりません。
登記簿謄本(登記事項証明書)の確認はもちろんのこと、以下の点にも注意を払います。
- 権利関係の精査
- 抵当権や地上権、賃借権など、所有権を制約する権利の有無と内容を確認します。特に、複雑な権利関係(共有持分、借地権など)が絡む場合は、その整理手法も検討します。
- 契約不適合責任
- 当社が売主となる場合、売却後の物件に隠れた瑕疵(欠陥)が発見された際の責任(契約不適合責任)が問われます。当社は建設業の知見に基づき、物件の状態を正確に把握・開示し、必要な修繕を事前に行うことで、このリスクを最小化します。
- 行政法規の確認
- 都市計画法上の用途地域、各種条例(景観条例など)による制限など、将来の開発や利用に影響を与える法規制を調査します。
これらの徹底したデューデリジェンスが、当社と取引先様双方の安全を守る基盤となります。
金融機関・投資家が評価する不動産売買パートナーの条件

金融機関の皆様や投資家の皆様が不動産売買のパートナーを選ぶ際、その企業が信頼に足るか、安定したリターンをもたらし得るかを厳しく評価されます。株式会社はるしお地建は、これらの要求に応えるための資質を備えていると自負しております。
高い専門性と透明性(的確な物件評価と情報開示)
私たちは、不動産と建設という二つの分野における高度な専門性を有しています。これにより、物件の価値とリスクを多角的に、かつ正確に評価することが可能です。
金融機関への融資申請時には、その評価プロセスと根拠、潜在リスクと対策を明確に開示します。投資家の皆様への物件ご提案時にも、メリットだけでなく、想定されるリスク(空室リスク、金利上昇リスクなど)についても包み隠さずご説明します。
この「情報の透明性」こそが、長期的な信頼関係の礎であると信じています。不明瞭な根拠に基づく楽観的な事業計画ではなく、現実的かつ堅実なデータに基づいた提案を行います。
リスク管理能力(市場変動と出口戦略)
不動産売買事業は、市場の変動と常に隣り合わせです。金利の動向、地価の変動、経済情勢の変化は、不動産価値に直接影響を与えます。
当社のリスク管理は、まず「仕入れ」の段階始まっています。市況が過熱している局面でも、冷静に将来価値を見極め、高値掴みを避ける規律を持っています。また、取得する不動産の用途(居住用、商業用、オフィス)やエリアを分散させることで、ポートフォリオ全体のリスクを低減します。
さらに、全てのプロジェクトにおいて、複数の「出口戦略(売却シナリオ)」を想定しています。当初の計画通りにいかない場合でも、柔軟に戦略を修正し、損失を最小限に抑え、利益を確保するための次善の策を常に準備しています。
地域密着型(福岡市)のネットワークと情報力
私たちは福岡市に根差し、地域社会と共に歩んできました。この地域密着の姿勢が、他社にはない強力な情報ネットワークを構築しています。
まだ市場に出回る前の、いわゆる「水面下の物件情報」や、地域の再開発計画、行政の動向といった重要な情報は、日々の地道な関係構築から得られるものです。この情報力こそが、優良な不動産売買の機会を創出し、競合他社に対する優位性となっています。
金融機関の皆様にとっては、地域の特性を熟知した企業であるという点が、融資先の事業安定性を評価する上でのプラス材料となり得ます。投資家の皆様にとっては、成長著しい福岡都市圏における優良な投資機会へのアクセスを意味します。
未来価値を共創するパートナーとして
株式会社はるしお地建が手掛ける「不動産売買」について、その事業の特性と専門性を解説いたしました。
当社の不動産売買は、「仲介」ではなく、自らが「当事者」としてリスクを取り、不動産の潜在価値を引き出す事業です。
私たちは、「不動産業」の目利きと「建設業」の技術力を融合させることで、中古物件を再生する「買取再販事業」と、ゼロから価値を創造する「不動産開発事業」を力強く推進しています。
金融機関の皆様、取引先企業の皆様、そして投資家の皆様にとって、当社とパートナーシップを組むことには、以下のベネフィットがございます。
- 信頼性:不動産と建設の双方に精通し、徹底したデューデリジェンスに基づいた透明性の高い事業運営。
- 迅速性:当社が直接の「買主」または「売主」となるため、スピーディーな意思決定と取引実行が可能。
- 付加価値:建設業のノウハウを活かした確実なバリューアップにより、高い収益性と資産価値の向上を実現。
- 地域(福岡)への貢献:地域に根差した事業活動を通じて、良質な不動産ストックを供給し、都市の発展に寄与。
株式会社はるしお地建は、単なる不動産会社、建設会社に留まりません。皆様の事業と資産形成における「ベストパートナー」として、土地や建物の未来価値を共に創造して参りたいと考えております。当社の不動産売買事業にご関心をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
